草花を通じて牧野博士の歴史に触れる90分

  • 牧野公園コース
牧野富太郎博士が生まれた町・佐川町にある牧野公園には、約700種類の植物があり、そのうちの400種類は牧野博士にゆかりのあるものです。絶滅危惧種や、高知では普通に見られるけれど全国的には少ない注目種など希少種も多くあり、「みんなで育てる公園」として、地域の皆さんと町が大切に管理しています。中でも、中心になっているのが「牧野公園はなもりC-LOVE」のメンバーで、山野草を種から育てたり、除草や植栽、苗の育成など、山野草が楽しめる公園づくりに注力しているそうです。


マイク片手にガイドをする市川さん

牧野公園のガイドさんも「牧野公園はなもりC-LOVE」の7名が中心になって結成した9人のガイド団体。お話をしてくれた市川浩司さんもメンバーの1人です。2020年頃から公園の整備などに関わるようになったことと、幕末維新博の際に青山文庫のガイドを経験したことから牧野公園でのガイドも行うようになりました。


札にはそれぞれ名前と花の見頃が記されている

コースは牧野公園をぐるっと一周する内容で、ガイド当日に見られる季節の植物を紹介していきます。季節と言っても、週や月ごとに見頃が変わり、紹介する草花も都度都度違うので、ガイドに参加する度に新しい発見があるのも人気のひとつ。常連さんやカメラマンなど、リピーターも多いツアーです。また、園内には植物の名前がすぐわかるように札が立てられているので、開花時期ではなくても、その時々の草花の様子を知ることができます。


名前の由来や楽しみ方も解説します

草花を通じて牧野博士の生涯やNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」に絡めたお話が聞けるのもこちらのガイドならでは。ドラマのワンシーンに登場した場所や、博士の妻の名前から命名したスエコザサなど、「あの名シーン」を感じることができます。また、牧野博士の資料館や文献をもとにしたガイドをしてくれるので、ネットには載っていないお話が聞けるのも魅力の一つ。ちなみに、こちらのガイドに参加したことで、「心があたたかくなった」というエピソードが四国おもてなし感激大賞2023の募集に投稿され、準大賞を受賞したとか。日々のガイドさんたちの、草花や牧野博士に対する想いが感じられそうですね。


今や全国的に有名になったバイカオウレン

園内には牧野富太郎博士の墓地があり、その近くには博士がこよなく愛したと言われるバイカオウレンの群生地があります。見頃は1月から3月にかけて。一面に咲く白い花に思わずスマホをギリギリまで近づけてシャッターを切ってしまいます。
他にも、秋になるとアサギマダラの観察会などがあり、1年を通して牧野博士ゆかりのイベントを開催しているとか。

「私たちは植物の専門家ではないですが、何よりも自分達が楽しんでガイドをしています」と市川さん。解説を聞いて、一つでも知らなかった植物の名前や、牧野博士のことを覚えて帰ってほしいとガイドを行っています。


青山文庫の外観。牧野博士以外にも幕末の文献や庭園が楽しめる

敷地内には青山文庫があり、牧野博士の生涯を遺品とともに紹介していたり、博士直筆の植物写生図もあるので、そちらに立ち寄ることでさらに知識が深められるそうです。実は博士には子どもが13人もいた!など植物のお話以外にも人間味あふれる博士の人生に触れることができますよ。


昔ながらの街並みが残る酒蔵の道

ガイド解散後は佐川町の酒蔵・司牡丹酒造が運営する酒ギャラリー「ほてい」へもぜひ足を運んでみてください。佐川町にある酒蔵は、全国で13番目に古い酒蔵でもある司牡丹酒造のみになりましたが、かつては多い時で9つの酒蔵が集まる日本酒産地でした。牧野博士の実家も元は「岸屋」と言う酒蔵でしたね。博士が成人した明治中期頃に植物研究のため人手に譲りますが、その酒蔵も司牡丹酒造に譲られたそうです。ほていには牧野博士にちなんだ「牧野富太郎 司牡丹 純米酒 花と恋して」も販売しているので、公園のお花を思い出しながら、博士への献杯はいかがでしょう?

※龍馬パスポートのスタンプ対象です
※大事な自然を守るために、盗掘、踏圧はしない、特定外来生物を持ち込まない、遺伝子汚染から在来種を守る等、決まり事は守りましょう。

■詳細はこちら
https://doppuri.kochi-tabi.jp/guide/guide_sakawa.html

2024年3月現在の情報です

 

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