歴史や伝説が眠る 植物の宝庫・横倉山

  • 横倉山トレッキングツアー
越知町にある横倉山は、4億5000万年前の「コノドント」と呼ばれる化石が発見されていたり、植物学者・牧野富太郎の研究場だったり、約1300種の植物が見られる植物の宝庫でもあります。また、安徳天皇が隠れ住んだと言われている平家伝説や、山岳宗教の名残に触れることもできる場所。片道2kmほどで、アップダウンもないトレッキングはガイドツアー初心者の方でも楽しめます。


ツアー集合場所のおち駅にてパチリ

案内をしてくれるのは観光協会に所属するガイドさん。常時いる4名に加え、イレギュラーメンバー3名、サブメンバー3名が在籍しています。今回お話ししてくれた斎藤政広さんは越知町生まれ越知町育ち。横倉山の麓で育ち、越知町役場に勤務していた際に横倉山の植物目録を作ることになり、3~4年かけて山に登っていたそうです。その間、植物写真を撮り続け、いつの間にか知識も豊富になっていきました。ガイドを始めたのは20年ほど前からで、2023年からはガイド講師もしながら本格的にツアーガイドとして活動をスタートしました。


スタート地点の第3駐車場からすぐの場所にある杉原神社


杉原神社付近で観察できるコオロギラン(花期は8月)

年間を通じてたくさんの植物に出会える横倉山。出発から400mほど歩くと、杉原神社のお宮さんが見えてきます。境内には樹齢約500年から600年の大きな杉がお宮を守るように生えていて、辺りにはギンバイソウ、フタリシズカ、コオロギランを観察することができます。中でもコオロギランは世界的にも珍しい植物なので、ぜひ見つけてみてください。


勇気のある人は岩場に降りてぜひ撮影を!

標高800mの場所にある横倉宮には、「馬鹿だめし」と呼ばれる岩場があり、約4億年前の石灰岩でできた断崖絶壁の上に立つことができます。ここが絶好の撮影ポイントで、この場所での撮影を楽しみにツアーに参加する人も多いとか。写真を見るだけでゾクゾクしますよね~!遠くまで続く山、眼下を流れる川とダム湖が見渡せて、春の新緑、秋の紅葉と、植林にはない自然美が残る場所でもあります。


畝傍山眺望所から見た馬鹿だめしの様子


畝傍山眺望所で観察できるヨコグラツクバネ(花期は5月上旬)

馬鹿だめしの対岸にあるのは畝傍山眺望所。ヨコグラツクバネやアケボノソウ、ナツエビネなどの草花がたくさん観察できます。こちらも眺望の良い場所で、太平洋が見渡せるだけではなく、お天気の良い日は室戸半島まで見ることができるそうです。


トレッキングの様子


コース内にあるカブト獄付近で見られるフデリンドウ(花期は5月中旬)

トレッキングの折り返し地点までやってきたら、次に目指すのは、安徳天皇のお墓と言われている安徳天皇陵墓参考地。全国に5箇所しかない宮内庁が管理する場所で、神秘的な雰囲気に包まれた特別な場所。横倉山は、安徳天皇に関する言い伝えのほか、かつて土佐国だった時代から、高知で唯一の修験道の霊場としても神聖視されてきた土地だったため、山全体が神様のような存在でもあるんです。ガイドさんの解説も、植物だけにとどまらず、山の歴史や伝説についても聞くことができます。

山も人も大好きだという斎藤さん。ツアー参加者も目的があって来てくれる人ばかりなので、山や植物に対する想いは同じだと感じています。植物を発見した時の喜びや、気持ちの高鳴りを味わってもらい、その積み重なりが自然や横倉山に対する愛着につながってほしいという想いでガイドをしているそうです。


横倉山自然の森博物館


常設展示室「牧野富太郎と横倉山」

トレッキングに参加して、さらに横倉山について知りたい人や、時期外れの植物も見てみたいという人は、「越知町立横倉山自然の森博物館」へも足を運んでみてください。横倉山の尾根に広がるアカガシの原生林や山の生い立ち、歴史や伝説のほか、牧野博士のフィールドワークの様子も見て回ることができます。

いつ訪れても新しい発見のある横倉山。ガイドさんの解説でさらに知識を深めてみてください!


※大事な自然を守るために、盗掘、踏圧はしない、特定外来生物を持ち込まない、遺伝子汚染から在来種を守る等、決まり事は守りましょう。

■詳細はこちら
https://doppuri.kochi-tabi.jp/guide/guide_ochi.html

2024年3月現在の情報です

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