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どっぷりドラマが生まれる地
SUPER LOCAL KOCHI「らんまん」や「あんぱん」など、次々にドラマの舞台となる高知。
そこには、物語が生まれる理由がありました。豊かな自然、奥深い歴史、美味しい名産品はもちろん、
毎日をドラマチックに彩るのは、その地に暮らす人たちです。野菜を売るよりもおしゃべりに夢中な、街路市のお母さん。
おすすめのお酒を 1 聞いたら 100 語ってくれる、相席になったお父さん。
夏の夜、よさこいの練習を惜しげもなく見せてくれる街角の子どもたち。家族のように距離が近い人たちの、暑苦しいほどの「ど」人情を、
いちど、体験してみてください。都会では出会えない物語に、気がつけば、どっぷりハマっているはず。
いつもの日常からちょっと離れて、ドラマのある旅、してみませんか -
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ど馳走
「材料はぜんぶ、この山のもん」 お山のお母さんは胸を張る。
4月はたけのこ、7月はリュウキュウ。
収穫できる時期に採って、1年分を塩漬けにする。炊き立てご飯に刻んだしょうがとごま、合わせ酢を。
絞った柚子酢を回しかければ、つやつや光るすし飯が。「まあるいお団子みたいに。ぽとおん、としいたけのせちゃって」
しいたけには十字の切れ目。
みょうがの鮮やかな紅色は赤紫蘇と一緒に漬けているから。
海苔や魚は使わず、すべて山の幸でできている。「あなたのおすしを作ったらえいのよ」 そう言われ、
手のひらのお寿司を見つめ、はにかむ子どもたち。高知の山の田舎ずし。
お母さんの知恵は、次の世代へ引き継がれていく。 -
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ど日常
仁淀川にかかる沈下橋。橋からのぞき込むと、
魚の群れが石の間を縫うように泳いでいるのが見える。
欄干がないのは台風など大雨の時には水中に沈み、
川の流れを妨げないようにするため。キラキラ光る流れに見とれていると、
うっかり川へ落ちてしまいそう。
沈下橋は地元の生活道。人も車も、時には観光客も行き交う。
「ちょっと通るよー。おー、こんにちは。どっから来たが?」
「大阪です」
「それは遠いところから、ようきたねぇ」
「あの魚ってなんですか?」
「そりゃあ鮎よ。ほら、あっこで跳ねた!」川面がまるく揺れ、水しぶきが上がる。 山あいに歓声が響く。
初めて会ったのに笑い合える。高知の沈下橋はそういう場所だ。 -
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どゆず
日本一のゆず大国、高知。
まあるい実が色づく頃、山々は収穫の時を迎える。「この時期、高知はゆずまみれになるきね」
目が覚めるような黄色のゆずが実る枝は、その重みで下へとしなる。
鋭いとげから身を守るため、厚い皮手袋を装着。
実を傷つけないよう鋏でパチンと切れば、かごいっぱいのゆずから爽やかな香りが広がる。ゆず玉を絞った果汁100%の「柚子酢(ゆのす)」は、高知の食文化を支える大黒柱。
郷土料理である田舎ずしやさばの姿ずしなど、高知のすし文化にも欠かせない調味料だ。
各家庭の台所にも常備され、酢の物やポン酢に使われる。
皮はジャムや佃煮、スライスして冷凍すればうどんの薬味に。1年中、ゆずをまるごと大事に使う。
山の恵み、ゆず。いつもそばにいてくれて、ありがとう。 -
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ど直伝
「えい鰹の感触は、この手に染みついちゅう」
毎朝、大将自ら市場へ赴き、これは!という鰹を仕入れる。「鰹のタタキっていうけど、たたくの見たことないろう?」
あぶった鰹を特製の木板にのせ、塩をふる。
その上に青じそ、わけぎ、玉ねぎの薄切りをたっぷりと。
柚子酢も加えた秘伝のタレをかけながら、勢いよくペチペチペチペチ…。
年間3トンの鰹をさばく手のひらで、たたいて味を馴染ませる。絶妙な塩加減、驚くなかれ、口のなかで素材全ての風味が広がる。
明治生まれの祖母直伝、これぞ四万十中村の塩たたき。「中村でしか食べられないって聞いて来ました。さすが一味も二味も違う!」
「お客さんの喜ぶ声が、何よりのやりがいよ」
大将は胸を張り、今日もお客さんを迎え続ける。 -
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ど爽快
鏡のような湖面を漕ぎ出す。
ちゃぷんと跳ねた水は光り、澄み渡る空から鳥の声。
風と共に進み、水のうえをゆく。
山に囲まれた湖はみずみずしい空気に満ちている。
パドルを漕ぐ手を休め、深呼吸。湖はしんと静まり返る。
「この静けさがいい。そう言う方は多いです」
インストラクターの言葉に、皆うなずく。ふいに遠くから元気な声が聞こえた。
振り向くと、先程出発した岸にカヌーを担いだ子ども達が。
地元の小学生が週3回、湖面で練習しているという。
子ども達はカヌーに乗り込み、まるで身体の一部のように操りながら近づいてくる。
そして昨日も会ったかのように、屈託のない顔で言った。「どこいくが?」
「あの橋の向こうまで」
「そっか、がんばりよ!」
子どもたちは颯爽と自分達の練習場所へ向かっていった。
湖面の一期一会が楽しい。さあ漕ぎ出そう。軽やかにパドルを握り直した。 -
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ど今昔
いにしえの道を歩き、香美市物部の山より香南市赤岡の海へ向かう。
山と海をつなぐ一本の道は「塩の道」とよばれ、その距離約30㎞。400年前、山の人は小豆やお茶を背負って海へ向かった。
港町として栄えた赤岡で塩を手に入れ、藁で編んだ「かます」に詰め、
生活物資と共に馬や牛の背中に乗せて再び山へ。
山の人も海の人も、生きるためにこの道を行き来した。
時代と共に草に覆われ途切れた道を、ナタで切り拓き、
再びつなぎ直した人たちがいる。「世の中いうのはどんどこどんどこ変わっていくけんど、
山には昔から変わらない生活がある。
塩の道を歩けば山の自然、みどり、空気を体感できる。
それが一番の喜び。これこそが、
本当の人間の生きる姿じゃと思うてます」先人たちが歩いた道をたどっていくと、
古と今がひとつながりであることに気づく。
今や海外からも訪れる塩の道。
時を超え国境を超え、人と人とをつなぎ続ける。 -
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ど温泉
東から西まで数多くの名湯が湧く高知。眼下に雄大な太平洋を臨む温泉も。
見上げれば青空、湯に身を任せれば身体の芯まで温まる。
額からも肩からもゆらゆら湯気が立ち昇り、汗が噴き出る。
「ぬくもったー!ちょいと休憩」
湯からあがったおんちゃんが、崖下に広がる海を見ながら話し始めた。「海の色がえいねえ。あっこらへんは、スズキやアカメ、ボラも釣れるがよ」
「地元の方ですか?詳しいですね」親子も隣に立ち、海を眺める。 遠い海原から繰り返される波の音。
気持ちの良い海風が吹き上げてくる。 そして始まる「どっから来たが?」。
話してみれば、おんちゃんもお父さんも子どもも、みんな現役の陸上選手。
「たまるか!」肩を組みそうな勢いで盛り上がり、かれこれ立ったまま20分。
「さあて、もう一回ぬくもろうか」 先程よりも、湯のなかの距離が近づいた。「この足見たら、陸上部って分かるでしょ」
湯から出した足首の靴下焼け自慢が始まった。
