やなせたかしさんの故郷で 牧野博士ゆかりの草花を愛でる

  • 牧野博士ゆかりの
  • 「香北の自然公園」
  • 草花ガイドツアー
南国ICから車で約30分。町の南北を流れる物部川や山々など、自然に包まれたのどかな空気が流れる香美市。
同市は「アンパンマン」の作者で知られるやなせたかしさんや元日本テレビのアナウンサー・福留功男さん、県立牧野植物園元園長・山脇哲臣さんの出身地としても知られています。
このツアーガイドでは3人が生まれた育った香美市香北にある「香北の自然公園」を巡ります。

「香北の自然公園」には3人にまつわるエピソードがあり、合併前の香美郡香北町名誉町民でもあるやなせさんと福留さん、山脇さんが食事していた時、やなせさんから「僕はアンパンマンミュージアム建設に協力しているから、福留さんも町のために何かしてみたら?」と持ちかけられた福留さんは「それなら桜でも植樹しようかな」と話していると、それを聞いていた山脇さんが「桜はどこにでもあるから、そうじゃないものを造ってみては?」と言われ、2009年に同公園が誕生したそうです。

ガイドをしてくれる香美市観光ガイドの会の皆さん。2020年に発足された新しい会ですが、香美市の魅力を伝えようと研修やガイド実績を重ねる10名がおもてなしの心と知識で道中を案内してくれます。
 

ガイドさんの熱の込もった説明につい聞き入ってしまいます。

同公園はアンパンマンミュージアムの裏山斜面にあり、春は牧野富太郎博士が高知市内の仙台屋という店の庭で見つけた桜・仙台屋をはじめ、オンツツジやトサノミツバツツジ、シロバナウンゼンツツジ、梅雨時期はヤマアジサイ、秋はノジギク、春先はバイカオウレンと、牧野博士ゆかりの植物19種類を含む304種類の草花が植栽されています。シーズンに合わせてそれらを解説しつつ、地元ならではのエピソードなどを交えて公園を巡ります。


華やかな姿で人気の仙台屋桜。


“森の妖精”とも呼ばれるバイカオウレン。


牧野博士命名のノジギク。

「牧野博士にゆかりがある草花もですけど、ここは9月中旬から10月下旬頃まで花を咲かせるコバノフジバカマを目当てに飛んでくるアサギマダラでも有名なんですよ」とガイドさん。「アサギマダラは日本国内だけでなく海外まで移動することから旅をする蝶とも呼ばれ、アサギ(浅葱)色の羽根が美しく、写真を撮りに来る人も多いんです」とも話してくれました。


コバノフジバカマとアサギマダラ。


アサギマダラが近くで見られます。

公園の頂上付近にある第1休憩所は香北の町並みが一望できる絶景スポットです。と、ここでガイドさんが「あの右の方に見える独特の形をした山は御在所山と呼ばれ、平家落人伝説をはじめ、様々な言い伝えが残る場所でもあるんですね。山頂には韮生山祇神社が祀られ、道中には尻見坂と呼ばれる石段や石仏などもある信仰の山としても有名です。杉の巨木など手つかずの自然で、こことはまた違った魅力がありますよ」と教えてくれました。


香北の自然公園の第1休憩所からの眺めは格別です。

その後、集合場所の「集落活動センターびらふ」へ移動し、解散。近くにある「道の駅 美良布」内の韮生の里直販所で、地元産の韮生米や加工食品、スイーツ、野草茶などを買って帰るのもいいでしょう。

香美市のガイドツアーには、昔ながらの情緒漂う土佐山田町の商店街を歩く「山田まちあるき」や、江戸時代初期の土佐藩家老・野中兼山が物部川に築き、高知県指定文化財にも指定されている史跡「山田堰」を彼の功績を交えて案内する「山田堰と野中兼山」があります。また、香北をやなせたかしさんのエピソードを交えてガイドするツアーも予定しているとか。

香美市には日本三大鍾乳洞のひとつに数えられる「龍河洞」をはじめ、「日本の滝 百選」にも選ばれている「轟の滝」、紅葉の名所「べふ峡」など自然スポットが豊富です。
また「さくら名所100選」に認定されるソメイヨシノや八重桜など多種の桜、約600 本が咲き誇る「鏡野公園」を筆頭に、参道を含め約150本のソメイヨシノとしだれ桜が見られる「八王子公園」など、桜の名所が市内各地にあり、花見時期には多くの人が訪れています。

2025年春からNHK連続テレビ小説でやなせたかしさんと妻の小松暢さんをモデルにした「あんぱん」の放送も予定されており、注目を集めるであろう香美市。ぜひ訪れてみてはどうでしょうか?

■詳細はこちら
https://doppuri.kochi-tabi.jp/guide/guide_kami.html

2024年3月現在の情報です。

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