250種550株が鮮やかに咲き誇る 川辺のバラ園

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四万十市西土佐の大宮下という地域にある「藤の瀬バラ園」では、5月上旬から6月上旬にかけ、250種類550株のバラが園内で色鮮やかに咲き誇ります。

 

藤の瀬バラ園

 

このバラ園は、地域住民20名という小さな集落・大宮下の有志10名ほどで構成される「藤の瀬バラ園の会」が管理・運営をしており、毎月に一度、有志の皆さんが集まっては草引きや剪定、肥料などの世話をしています。会長の尾崎裕人さんは、それ以外でも日々時間があれば園の様子を見にやって来て、消毒など細かな世話をしています。

 

藤の瀬バラ園会長・尾崎裕人さん

 

同園は、元々は尾崎さんが所有していた畑で、鳥獣などによる被害から畑を守るためにフェンスを設置していましたが、「自然豊かなこの地の景観に合うとともに、人が見て柔らかい印象を持てるようにしたい」という思いから、フェンスにつたう「つるバラ」を植え始めたと言います。

 

大宮下地域で学習を重ねていた高知大学や京都大学などの学生たちが2012年、それを見て、「魅惑のバラロードで四万十一観光客が訪れる県道に」という提案をし、「藤の瀬バラ園」は始まりました。

 

「当時、学生たちが大宮下の地域に入って10日間ほど寝泊まりをしながら地域のことを学んでくれていました。私も彼らとワークショップなどをしながら活動をともにしたので、彼らの活動に心を動かされていたんです。そんな学生たちの提案を『形に残してあげたい』、そんな思いでバラ園を本格的に始めました」

 

尾崎さんの学生に対するあたたかな思いから、地域の人たちへ協力の呼びかけをし、園が形になっていきました。

 

「藤の瀬バラ園」の見頃は5月上旬から6月上旬まで。入園料は300円で、250種類の様々なバラ550株が園内を鮮やかに彩ります。開園中は自由に出入りができますが、希望者には、尾崎さんがバラ園を案内しながらバラ園の成り立ち、バラの種類などについて解説してくれます。案内は無料で、事前に連絡をしておくとスムーズだそうです。

 

ちなみに、尾崎さんのお気に入りのバラは「オリンピックファイヤー」という品種。オリンピックの聖火をイメージさせるような朱色の花が咲くそうです。250種類もの中から自分のお気に入りのバラを見つけたり、種類ごとの違いを家族や友人と話しながら回るのも楽しそうですね。

 

これまで多い時には期間中に1,000人もの人が町内外から訪れることもあったという藤の瀬バラ園。高知市や宇和島市など、遠方から来てリピーターになってくれる人もいるそうです。「たった20人ほどが住む小さな集落に多くのお客さんがやって来てくれることで、地域が華やかに、にぎやかになりうれしい」と尾崎さんはバラ園の運営の喜びを話します。今年は5月18日(土)・19 日(日)に、バラ園の眼下に流れる目黒川で採れた鮎を使った「鮎定食」の提供も予定しているとのこと。昨年からは東屋やお手洗いも新設されていますので、バラを見ながらベンチに座ってのんびりするのもおすすめです。

 

5月上旬を迎えると園内に鮮やかなバラが咲き誇る

 

上空から見たバラ園

 

高知市方面からアクセスする際には、バラ園までのコースもドライブにもってこい。普段は機会が無ければなかなか訪れることのない山間の地域。バラをきっかけに、四万十川や沈下橋を横目にしながら、山里の自然豊かな景色が広がる道を行く時間は、なんだか探検に来たようで、子どもの頃の無邪気な気持ちに戻れるような…。尾崎さんは、大宮下まで来る途中の「薮ヶ市」という地域で1万本以上の百合が咲く道も綺麗だと話します。「私たちのバラ園が見頃を迎える2週間ほど後かな。薮ヶ市では百合がたくさん咲く通りがあるので、あわせて見てもらえたら」。

 

バラ園の開園期間が近づくと、バラの甘い香りが集落にふわっと流れるそう。近くに住む人、前を通る人が「甘い香りがするね」と話していくそうです。見て、嗅いで、楽しめる、春の小旅行に四万十の山あいへ出かけてみませんか?

 

バラの甘い香りにハチも寄ってくる

 

赤やピンクなど色とりどりのバラを見て、嗅いで、元気がもらえそう。

 

■詳細はこちら
https://doppuri.kochi-tabi.jp/guide/guide_shimanto_c.html

2024年3月現在の情報です

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