大人ひとり旅:雲の上の町で隈研吾建築巡り

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ほかの誰でもなく、自分の好きなことを自由に楽しむ「一人旅」。

1ヶ月前から仕事を調整し自分の予定だけで決めた7月初旬の旅先は、世界的建築家 隈研吾さんの建築が世界で一番多く集まる「雲の上の町」こと高知県梼原町。あれこれ予定は詰め込まず、気になる場所やお店を少しだけメモして出掛けた、1泊2日、寄り道だらけの一人旅をご紹介します。

2日目の記事:天空の町で大自然に包まれる

まずは高知を代表するラーメン店の一つ 自由軒の「みそカツラーメン」から🍜
濃厚スープと、ラーメンの上にドンっと一枚のった揚げたてのトンカツの組み合わせが絶妙でクセになる美味しさ!

梼原町に到着し、早速この旅のハイライト、隈研吾建築巡りへ!
事前に「ゆすはら雲の上の観光協会」に電話し「隈研吾建築ガイドツアー」を予約しておきました。(1人から予約可能なのが嬉しい。)今回は2時間程度のガイドでしたが、時間は相談できます。

ガイドの伊藤さんは建築だけでなく町の歴史にも精通していて、建築はもちろん隈さんが刺激を受けた梼原の伝統的な木造建築なども案内してもらいました。

✏️ガイドツアーは2週間前までに予約が必要です。
 休館日がある建築もあるので事前チェックがおすすめ!

  •  梼原町総合庁舎

梼原の杉を大胆に使った温もりのある庁舎。

「テーマはサステナブルです」と伊藤さん。空調にエコシステムを導入するなど多数の環境対策技術を採用しています。建物の正面は窓になっており、イベントや災害時に市民に解放できる仕組みになっています。

  •  ゆすはら座

「梼原の戦後復興の象徴」という町の歴史を語る芝居小屋。平成初期に起きた保存運動は隈さんが町に来訪するきっかけになりました。「梼原と隈さんは30年来の付き合いなんです」と伊藤さん。隈さんが自身の「原点」と語る、隈研吾の木造建築のはじまりの場所です。

  •  茶堂・旧掛橋泉邸

その昔出稼ぎに来ていた長州大工が造ったという、町の伝統的な茅葺屋根の平屋建築。旅人を茶菓でもてなしたという茶堂は今でも町内に複数残っており、今もなおおもてなしの伝統を受け継いでいる集落もあるそう。「長州大工に一升瓶を持って行って、長州の情報を聞いていたことでしょう」そんな幕末に思いを馳せる話も聞かせてもらいました。

  •  雲の上の図書館

「まさに“負ける建築”です」山の稜線から稜線へと流れるその間に位置にしながら、自然と馴染む佇まい。実際に訪れたからこそわかる隈研吾建築の魅力。

一際目をひく館内の木組みは梼原の森をヒントにしたデザインで、耐震性に優れた構造体になっています。

※負ける建築・・・隈研吾氏が同名の自著の中で提唱した建築観。

  •  神幸橋・三嶋神社

津野山神楽が舞継がれる「三嶋神社」と、神社へかけられた木製の屋根付橋「神幸橋」。
「隈研吾の小さなミュージアム」がある雲の上のギャラリーの渡り廊下はこの橋から着想を得ています。

  •  まちの駅「ゆすはら」

ガイドツアーの最後に訪れた、茅葺の外壁が印象的なまちの駅。町の木材を使い、伝統を取り入れた隈さんらしい建築です。

伊藤さん、楽しいガイドをありがとうございました。

ガイドツアーの後に訪れたギャラリー。森に溶け込むような佇まいと、地元の杉材を組み上げた迫力ある外観は町の象徴にふさわしい存在感を放っていました。

「雲の上のギャラリー」から徒歩圏内にあるコーヒースタンドでひと休み。奥四万十の天然湧水を使いハンドドリップで淹れる自家焙煎珈琲と、スペルト古代小麦などこだわりの材料で作った自家製マフィン。たくさんの刺激を受けたガイドツアーを反芻し、お腹を満たしながらのんびりクールダウン。おすすめしてもらったミルクコーヒーソフトクリームも美味しかった!

ガイドツアーでもらったパンフレットで見つけて寄り道。山の斜面に広がった、水田が幾重にも連なる瑞々しい景色はとても風情がありました。四季折々の美しさがあると思いますが、7月初旬もおすすめです。

さて、そろそろ宿に向かいます🚙

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