粟生・大平地区散策ツアー
- 小道の向こうには
- 花の楽園が広がっていた
- 自然にどっぷり没入できるツアー
大豊ICから吉野川沿いを徳島県に向けて進むこと約20分。訪問時の3月中旬は高知県と徳島県を結ぶ国道439 号沿いに植えられた早咲きの山桜がほんのりとピンクに色づき、春の訪れを告げていました。
国道439号線に咲くオカメ桜。吉野川の川音にも癒やされます。
大豊町粟生にある定福寺の境内を抜け、車一台分の細い木かげ道をゆっくり進んでいくと目の前が開け、四季の草花があちこちに植えられた広々とした山里にたどり着きます。春は桜と菜の花、ピンクと黄色の絶景コントラストでさながら桃源郷に迷い込んだかのような気分に。
こちらは同町大平集落にある「ギャラリー 夢来里(むらざと)」で、同地区出身の都築將子さんと近くの地区出身の一久さんのご夫婦によるギャラリー&庭園です。
「ギャラリー 夢来里」。山間にある花の庭園として知る人ぞ知るスポットです。
「帰郷した時、自分が生まれ育った場所が草ぼうぼうに養蚕の名残である桑の木が生い茂っていて、草木をひたすら刈って花木を植え始めたのが始まりですね」と將子さん。「この辺りは休耕地で地主さんから譲ってもらったり、借りたりして。ここにこういう草花を植えたら、次はあそこを開拓してあの草花をと次から次へとやっている内に、こんなに広くなりました」と一久さんも話してくれました。2008年から2人で少しずつ手入れ&拡大し、現在は約2 万平方メートルで、今後は「山の斜面部分に、日光のいろは坂みたいな紅葉の森を作りたいと思っていて。木々の伐採は済みましたが、まだまだこれからですね」と楽しそうに語る一久さんの姿が印象的でした。
ハートの形したサツキは撮影スポットとしても人気。
2人でコツコツ進めているうちに、高知大学地域協働学部の学生が課外活動の一環で手伝ってくれるようになり、県立牧野植物園や大手製薬会社も協力を申し出るなど、人と人、企業や団体などの縁で「夢来里」は愛されるスポットになりました。2022年には特定非営利活動法人「NPO法人 夢来里の風」を創立し、高知市内の小学生を招いての課外活動などを行っています。
「ここはリピーターが多いんですよ。それで一度訪れた人が次来る時には別の人と一緒に来て、その人がまた新しい人をという共感の連鎖でたくさんの人から素敵な場所ですねと言ってもらえるのがうれしいですね」と將子さんが笑顔で話してくれました。
このガイドツアーでは、都築さん夫婦や地元の梶ヶ森エコツアーガイド協会のメンバーが案内してくれます。
都築さん夫妻と梶ヶ森エコツアーガイド協会の岡﨑さん。
標高約300m、対面には梶ヶ森も見えるロケーション抜群の「夢来里」を散策。澄んだ空気や風も心地よく、広い園内を歩くことも苦になりません。しだれ桜をはじめとする桜各種、ノアザミやユズの花、アジサイ、福寿草など春夏秋冬いつ来ても季節の草花が楽しめます。また秋に咲くブジバカマに誘われてアサギマダラも訪れるなど多種の昆虫も数多く見られます。
大豊町の町の花でもある福寿草も咲いています。
園内を歩いていると地面がフカフカしているところが。案内をしてくれている一久さんに聞くと、「ああ、それはモグラが土の中を掘っているからですね。ふかふかの土は植物が根をはりやすい環境なんです」と教えてくれました。「イノシシも出てきて草花の根を食べてしまうんですけど、彼らはヘビとかも食べてくれる。虫も葉を食べるけど、草花的には葉に栄養をとられることなく次の芽生えの準備ができる。害獣や害虫と言われるものも、必ずしも悪いことだけじゃないんですよ」と一久さん。多様な生命の営みの中でありのままを受け止めるという自然の理に少し触れられたような気がしました。
途中にはベンチや休憩所もあり、そこからの眺めも素敵です。養蚕の作業場を改築したというギャラリーには、画家としても活動する將子さんが描いた絵画が展示されており鑑賞できます。自然とアートの融合が非日常へ誘ってくれるはず。
ギャラリーでは將子さんによる風景画や人形などを展示。
庭園ではツツジなど季節の花々が見られます。
薬草園の横を進んでいると「今歩いている石畳。これは江戸時代のものなんですよ」と一久さん。聞けば、Uターンでここに戻ってきた時は土深くに埋もれていたけど、將子さんが幼少期に土遊びをしていた時に石に当たったという記憶と文献を頼りに掘って出てきたものとか。同地区の歴史も絶やさず伝承していきたいとも語ってくれました。
整備中に出土した江戸時代の石畳。この地の歴史を物語ります。
こちらを訪れる時には動きやすい靴や蜂などの対策として一年中長袖、長ズボンがオススメです。
「夢来里」を後にして、次は最初に通り抜けた定福寺内にある「土佐豊永万葉植物園」に。
万葉集の歌は4500首以上あり、詠まれる草木は150種に及びます。愛媛県や奈良県などにもある万葉植物園はこれらの草木を植栽し、植物の和名と歌を掲示して、当時の詠み人を偲ぶことができます。
土佐豊永万葉植物園にはツツジやユリ、大賀ハスなど四季折々の花を鑑賞できます。
全国で6番目の万葉植物園として、1975年に開園した「土佐豊永万葉植物園」は自生の万葉植物が3分の2を占める自然を生かした植物園で、一部植栽を含めるとおおよそ130種類の植物が見られます。
春にはアセビも咲き、訪れた人の目を楽しませます。
日本最古の歌集「万葉集」と草花、両方の魅力にどっぷり浸れるスポットとして人気です。
自然に包まれた大豊町で草花を愛でてはどうでしょうか?
■詳細はこちら
https://doppuri.kochi-tabi.jp/guide/guide_ootoyo.html
2024年3月現在の情報です
国道439号線に咲くオカメ桜。吉野川の川音にも癒やされます。
大豊町粟生にある定福寺の境内を抜け、車一台分の細い木かげ道をゆっくり進んでいくと目の前が開け、四季の草花があちこちに植えられた広々とした山里にたどり着きます。春は桜と菜の花、ピンクと黄色の絶景コントラストでさながら桃源郷に迷い込んだかのような気分に。
こちらは同町大平集落にある「ギャラリー 夢来里(むらざと)」で、同地区出身の都築將子さんと近くの地区出身の一久さんのご夫婦によるギャラリー&庭園です。
「ギャラリー 夢来里」。山間にある花の庭園として知る人ぞ知るスポットです。
「帰郷した時、自分が生まれ育った場所が草ぼうぼうに養蚕の名残である桑の木が生い茂っていて、草木をひたすら刈って花木を植え始めたのが始まりですね」と將子さん。「この辺りは休耕地で地主さんから譲ってもらったり、借りたりして。ここにこういう草花を植えたら、次はあそこを開拓してあの草花をと次から次へとやっている内に、こんなに広くなりました」と一久さんも話してくれました。2008年から2人で少しずつ手入れ&拡大し、現在は約2 万平方メートルで、今後は「山の斜面部分に、日光のいろは坂みたいな紅葉の森を作りたいと思っていて。木々の伐採は済みましたが、まだまだこれからですね」と楽しそうに語る一久さんの姿が印象的でした。
ハートの形したサツキは撮影スポットとしても人気。
2人でコツコツ進めているうちに、高知大学地域協働学部の学生が課外活動の一環で手伝ってくれるようになり、県立牧野植物園や大手製薬会社も協力を申し出るなど、人と人、企業や団体などの縁で「夢来里」は愛されるスポットになりました。2022年には特定非営利活動法人「NPO法人 夢来里の風」を創立し、高知市内の小学生を招いての課外活動などを行っています。
「ここはリピーターが多いんですよ。それで一度訪れた人が次来る時には別の人と一緒に来て、その人がまた新しい人をという共感の連鎖でたくさんの人から素敵な場所ですねと言ってもらえるのがうれしいですね」と將子さんが笑顔で話してくれました。
このガイドツアーでは、都築さん夫婦や地元の梶ヶ森エコツアーガイド協会のメンバーが案内してくれます。
都築さん夫妻と梶ヶ森エコツアーガイド協会の岡﨑さん。
標高約300m、対面には梶ヶ森も見えるロケーション抜群の「夢来里」を散策。澄んだ空気や風も心地よく、広い園内を歩くことも苦になりません。しだれ桜をはじめとする桜各種、ノアザミやユズの花、アジサイ、福寿草など春夏秋冬いつ来ても季節の草花が楽しめます。また秋に咲くブジバカマに誘われてアサギマダラも訪れるなど多種の昆虫も数多く見られます。
大豊町の町の花でもある福寿草も咲いています。
園内を歩いていると地面がフカフカしているところが。案内をしてくれている一久さんに聞くと、「ああ、それはモグラが土の中を掘っているからですね。ふかふかの土は植物が根をはりやすい環境なんです」と教えてくれました。「イノシシも出てきて草花の根を食べてしまうんですけど、彼らはヘビとかも食べてくれる。虫も葉を食べるけど、草花的には葉に栄養をとられることなく次の芽生えの準備ができる。害獣や害虫と言われるものも、必ずしも悪いことだけじゃないんですよ」と一久さん。多様な生命の営みの中でありのままを受け止めるという自然の理に少し触れられたような気がしました。
途中にはベンチや休憩所もあり、そこからの眺めも素敵です。養蚕の作業場を改築したというギャラリーには、画家としても活動する將子さんが描いた絵画が展示されており鑑賞できます。自然とアートの融合が非日常へ誘ってくれるはず。
ギャラリーでは將子さんによる風景画や人形などを展示。
庭園ではツツジなど季節の花々が見られます。
薬草園の横を進んでいると「今歩いている石畳。これは江戸時代のものなんですよ」と一久さん。聞けば、Uターンでここに戻ってきた時は土深くに埋もれていたけど、將子さんが幼少期に土遊びをしていた時に石に当たったという記憶と文献を頼りに掘って出てきたものとか。同地区の歴史も絶やさず伝承していきたいとも語ってくれました。
整備中に出土した江戸時代の石畳。この地の歴史を物語ります。
こちらを訪れる時には動きやすい靴や蜂などの対策として一年中長袖、長ズボンがオススメです。
「夢来里」を後にして、次は最初に通り抜けた定福寺内にある「土佐豊永万葉植物園」に。
万葉集の歌は4500首以上あり、詠まれる草木は150種に及びます。愛媛県や奈良県などにもある万葉植物園はこれらの草木を植栽し、植物の和名と歌を掲示して、当時の詠み人を偲ぶことができます。
土佐豊永万葉植物園にはツツジやユリ、大賀ハスなど四季折々の花を鑑賞できます。
全国で6番目の万葉植物園として、1975年に開園した「土佐豊永万葉植物園」は自生の万葉植物が3分の2を占める自然を生かした植物園で、一部植栽を含めるとおおよそ130種類の植物が見られます。
春にはアセビも咲き、訪れた人の目を楽しませます。
日本最古の歌集「万葉集」と草花、両方の魅力にどっぷり浸れるスポットとして人気です。
自然に包まれた大豊町で草花を愛でてはどうでしょうか?
■詳細はこちら
https://doppuri.kochi-tabi.jp/guide/guide_ootoyo.html
2024年3月現在の情報です