あんぱん調査隊vol.16
同じ高知でこんなに違う!?
土佐弁と幡多弁を比べてみた!

2025-09-05

★目次
1.幡多弁とは?
2.土佐弁「○○しゆう」⇔幡多弁「○○しよう」
3.「ざま」「いっちきちもんちきち」個性的な幡多弁をご紹介!
連続テレビ小説「あんぱん」で飛び交う土佐弁。
「ほいたらね」「こじゃんと」「たまるか」「たっすいがはいかん!」などなど、
物語の時代背景が戦前~戦後ということもあり、かなり現代に近く、
親しみやすい土佐弁が話されています。
味わい深い土佐弁にぐっとくる方も多いのではないでしょうか。
そんな土佐弁の魅力に迫る、あんぱん調査隊の土佐弁講座は早くも第三弾!
土佐弁講座第一弾はこちら →https://doppuri.kochi-tabi.jp/yanase/anpan.html?id=23
土佐弁講座第二弾はこちら →https://doppuri.kochi-tabi.jp/yanase/anpan.html?id=30
高知のことばを知れば知るほど、さらに「どっぷり」と高知の旅を楽しめるはず。
今回は、高知県西部で話される方言「幡多(はた)弁」について調査します!
1.幡多弁とは?

幡多弁は主に、黒潮町・四万十市・宿毛市・土佐清水市・三原村・大月町といった高知県西部の「幡多」というエリアで話される方言。
同じ高知県内でも、幡多弁を少し話しただけで「西の人?」とたずねられるのは高知県あるあるではないでしょうか。
土佐弁と比べると、「雰囲気がやわらかくておだやか」と形容されがちな幡多弁。
独特なイントネーションや言葉遣いも特徴的です。
今回の調査では、幡多弁と土佐弁の違いに注目しながら、幡多弁の特徴を掴んでいきたいと思います!
2.土佐弁「○○しゆう」⇔幡多弁「○○しよう」
幡多弁の大きな特徴のひとつに、語尾があります。
例えば、「○○している」を土佐弁にすると「○○しゆう」。
これを幡多弁にすると「○○しよう」となります。
土佐弁講座第二弾では、土佐弁で表現される細やかな時制を紹介しましたが、この時制の使い分けは幡多弁にも共通します。
現在進行:幡多弁「食べよう」→土佐弁「食べゆう」、標準語「食べている」
現在完了:幡多弁「食べちょう」→土佐弁「食べちゅう」、標準語「食べている」(食べ終わっている)
また、土佐弁では「○○しゆうき」と言いますが、幡多弁では「○○しようけん」と言うのも特徴的です。
例文にすると…
幡多弁「カツオのタタキ食べようけん、ちょっと待ちよって。」
土佐弁「カツオのタタキ食べゆうき、ちょっと待ちよって。」
標準語「今カツオのタタキを食べているから、ちょっと待ってて。」
となります。
語尾に「けん」がつくのは、愛媛県や九州が近いことも要因として考えられます。
さらに幡多弁と土佐弁では、イントネーションやアクセントも異なってきます。
文章ではなかなか伝えにくいのがもどかしいですが…ぜひお近くの幡多人をつかまえて、実際にしゃべってみてください!
3.「ざま」「いっちきちもんちきち」個性的な幡多弁をご紹介!
幡多弁には、独特の言い回しがあります。
代表的なものが「ざま」。「すごく」や「たくさん」といった意味合いを持ちます。
・「今日はざまにえいカツオが入っちょうけん、食べていったや!」
(今日はすごく良いカツオが入っているから、食べていってね!)
・「ざまな人やね~」(たくさんの人がいるね~)
といった感じで話されます。

幡多エリアの黒潮町はカツオの一本釣りが盛んですし、宿毛(すくも)市はきびなご、土佐清水市は清水サバ、大月町はマグロなどなど、「ざまに」新鮮な魚がたくさん。
幡多エリアを訪れた際は、おいしい魚を堪能してみてくださいね!
それでは最後に幡多弁クイズをひとつ。
幡多の中でも、宿毛市で使われる言葉「いっちきちもんちきち」とは、どういう意味でしょうか。
初めて聞くと、頭に「?」が浮かぶ方も多いと思います。
次の例文をヒントに、ぜひ考えてみてくださいね。
「気をつけていっちきち~」
「たまには宿毛にもんちきち~」
正解が分かった方は、ぜひ幡多エリアにご旅行の際に使ってみてください!
分からない方も、幡多エリアにご旅行の際に正解を探してみてくださいね。
それでは、次回の記事もお楽しみに。ほいたらね!