土佐の古道をガイドと歩く 旧へんろ道 春を楽しむハイキング

  • 牧野富太郎博士も魅了した絶景
  • 自然豊かな古道をハイキング
仁淀川から太平洋、波介山をはじめとする山々など、豊かな自然に囲まれ、温暖な気候に恵まれた土佐市。
高知市中心地から車で40分ほどの同市には四国八十八ヶ所第35番札所、清瀧寺と同36番札所、青龍寺があります。


青龍寺。春には美しい桜がお遍路さんを出迎えてくれます。


梅や藤なども見られる清瀧寺。高さ約15mの薬師如来像にも目を奪われます。

清瀧寺から青龍寺へと向かう約2kmの土佐遍路道・青龍寺道は昔ながらの風景を保つ数少ない旧お遍路道で、2016年に高知県内では初めてとなる“道”としての国の史跡指定を受けました。
この「土佐の古道をガイドと歩く 旧へんろ道 春を楽しむハイキング」の案内を務めるのは、同地が国の史跡認定を受けたのと同時期に結成された「土佐市ドラゴンガイドチーム」です。


土佐市ドラゴンガイドチームによるガイド風景。

現在は“土佐市愛”溢れる30~70代の男女で構成。地元在住ならではのエピソードを交えてのガイドで、仁淀川流域地域を対象にした「仁淀ブルー体験博」でお客様満足度一位になるなど好評を博しています。また地元小学校の授業の一環として、児童と国の史跡認定を受けた同道を一緒に歩き、地元の遺産を伝承するといった活動も行っています。

ツアーでは、お遍路のルーツを探る上でとても貴重な石造物などが残る古道を歩きます。江戸時代から残る方向を示す手の形が彫られた、浮き出た手やり石といった貴重な石碑や、県内でも3市町村しか発見されていない弘法大師像や不動明王、薬師如来像祈祷師などが描かれた磨崖仏図などを逸話等と合わせて紹介。


旧おへんろ道に咲くオンツツジ。


フジツツジ。春先は多彩なツツジが見頃です。

さらに高知県出身の植物分類学者・牧野富太郎博士がこの地を訪れた際にスケッチした「宇佐の風景画」が高知県立牧野植物園に収蔵されており、道中ではフジツツジやオンツツジ、シハイスミレなど博士にゆかりある草花も多く見られます。


休憩所からは牧野博士も見た宇佐の風景が見られます。

コース山頂にある休憩所からは牧野博士がその絶景に思わず描いたと言われる土佐湾や山並みといった雄大なロケーションが眼前に広がり、撮影スポットとしても人気だそう。さらに休憩所では土佐市の老舗和菓子店「のしや本家」と「北代菓子店」による季節の和菓子を味わいながら一服できます。

その後、ガイドの解説を聞きながら下山してツアーは終了。解散時には地元特産品のお土産も! その後の食事処や観光スポットも希望を伝えれば教えてもらえますよ。


峠道は木漏れ日や緑で神秘的な雰囲気。地元の方が定期的に整備&清掃しています。

青龍寺道のある塚地峠(塚地坂)は標高約190mで道も整備されていることから、地元の人の散歩道やハイキングコースにもなっているコースなので比較的軽装備でも大丈夫ですが、歩きやすく滑りにくい靴、蜂対策として長袖&長ズボンといった服装、タオルや虫よけスプレー持参がオススメです。


「宇佐ぶら体験」の模様。地元ガイドさんならではのディープな話も道中を盛り上げます。

土佐市の魅力を満喫できるツアーには、同市の宇佐町を歩く「宇佐ぶら体験」もあります。目の前に水平線上に土佐湾が広がる雄大な景色や探究心をくすぐる細い路地、ノスタルジック感満点の商店など、風情ある港町をガイドの案内を交えて散策。どこか懐かしい町並みが雑多な日常を忘れさせてくれるはず。同町は改良土佐節(鰹節)発祥の地としても有名で、鰹節製造工場見学もできます。ツアー後には希望があれば地元の食事処も紹介。港町だからこその新鮮な海の幸を使った料理もこの機会に味わってください。


青龍寺はモクレンの名所としても有名です。


宇佐しおかぜ公園入口にあるクジラのオブジェ。撮影スポットとしても人気。

周辺には170段の階段と朱色の三重塔で知られる青龍寺をはじめ、入口にある大きな親子クジラのオブジェが目印で海に面した宇佐しおかぜ公園、園内に展望所が5ヶ所設置され、土佐市の中心地から宇佐、隣の須崎市、好天時には室戸岬や足摺岬が見られる波介山展望公園など、自然を近くに感じられるスポットが数多くあります。

土佐市観光協会ではスポータイプの電動アシスト付き自転車のレンタサイクルも行っているので、自転車での爽快な観光もできますよ。(レンタサイクルについては土佐市観光協会に問い合わせ)

また土佐市はアジサイやハス、ヒマワリなど季節の花々が咲く地域としても有名で訪れる人の目を楽しませる他、仁淀川河口と太平洋が合流するポイントはサーフィンやSUPといったマリンスポーツのメッカとしても人気です。

どの世代が訪れても楽しめる魅力溢れる土佐市、ぜひ一度訪れてみてください。

■詳細はこちら
https://doppuri.kochi-tabi.jp/guide/guide_tosa.html

2024年3月現在の情報です

index